生え際の薄毛、原因と対策
前髪の生え際は、他人からの視線をモロに浴びる箇所です。生え際が薄いとそれだけでマイナスの印象を与えてしまいます。生え際の髪トラブルにはいくつかのパターンがあります。それぞれのパターンの原因と対策について解説します。
牽引性脱毛による生え際の薄毛
髪の毛を後ろで束ねたたり、縛ったりといった髪型をいつも行っていると、生え際の髪がひっぱられ髪が抜けやすくなってしまいます。女性に多い症状です。
男性でも、前髪を整髪料で立たせたり、スプレーで固めたりといったことを常にやっていると、髪の毛根がひっぱられ髪が抜けやすくなってしまいます。場合によっては生え際が薄くなってしまうこともあります。
常に髪が引っ張られた状態ですと、頭皮に根付いている毛球にダメージを与えてしまいます。髪を作り出す毛母細胞は、毛乳頭細胞から供給される血液を原料に細胞分裂を行っていますが、毛球にダメージが及ぶことで血液の供給が滞り、毛母細胞が弱体化してしまいます。
牽引性の脱毛なのであれば、まずは髪型をアレンジして前髪が引っ張られない状態にすることです。育毛剤で対策をするのであれば、十分な血液が毛母細胞に供給されるよう、血行促進作用があるものを使用する必要があります。
粃糠性脱毛による生え際の薄毛
粃糠性脱毛は、頭皮環境が悪化することで生じる脱毛症です。頭皮が荒れて乾燥しており、乾いたフケが大量に発生するのが特徴です。
粃糠性脱毛の対策としては、頭皮の環境を正常に戻す事がまず行うべきことです。
頭皮が乾燥して荒れている原因の一つに、使用しているシャンプーが頭皮に合っていない事が挙げられます。スーパーやドラッグストアで売られているシャンプーは、石油系原料からできているものがほとんどです。石油系原料からできているシャンプーは、脱脂力が強いのが特徴です。敏感肌や乾燥肌、頭皮が弱い人は、元々皮脂の分泌量が少ないため、脱脂力の強い石油系原料からできているシャンプーを使用すると、必要以上の皮脂を取り除いてしまうことになります。
皮脂は頭皮を保湿し、細菌の繁殖を防ぐ働きがあります。必要以上の皮脂を取り除いてしまうと、頭皮の乾燥を招き、細菌の繁殖を招きます。それによって、毛根に十分な酸素と栄養素が行き届かなくなり、髪が抜けやすくなってしまうのです。
粃糠性脱毛なのであれば、使用するシャンプーを見直す必要があります。使用する育毛剤は、保湿効果、頭皮環境を正常に保つための効果があるものを使用するのが有効です。
脂漏性脱毛による生え際の薄毛
脂漏性脱毛の原因は皮脂の過剰分泌です。皮脂が過剰に分泌することで頭皮は常にベトついており、湿ったフケが発生するのが特徴です。
頭皮は皮膚呼吸を行い、外から酸素を吸収しています。頭皮が常にベタついている状態ですと、酸素の吸収が滞り、十分な酸素を毛根に供給できなくなります。毛根に十分な酸素を供給できなくなると、髪を作り出す毛母細胞は弱体化し、毛周期が乱れ、髪が抜けやすくなってしまいます。
皮脂の過剰分泌が原因による生え際の抜け毛、薄毛に悩まされているのであれば、使用しているシャンプーを見直すと同時に、皮脂の分泌を抑える育毛剤を使用するのが有効です。
男性型脱毛症による生え際の薄毛
男性型脱毛症による生え際の薄毛は、ハゲ方に特徴があります。
・前髪がM字状に後退していっている
・前髪がU字状に後退していっている
・前髪の後退+頭頂部の薄毛が同時に進行している
特徴は、前髪の生え際が後退していくという点です。牽引性脱毛や粃糠性脱毛、脂漏性脱毛による生え際の髪トラブルは、生え際が後退するというよりは、生え際の髪が全体的に薄くなるのが特徴です。一方の男性型脱毛症は、生え際が後ろに後退するという特徴を持っています。
男性型脱毛症の原因は男性ホルモンです。活性型男性ホルモンのジヒドロテストステロンという物質が原因です。男性型脱毛症なのであれば、ジヒドロテストステロンの発生を抑制しなければ薄毛は進行していく一方です。
使用する育毛剤には、ジヒドロテストステロンの発生を抑制する効果があるものを使用する必要があります。育毛剤の多くは、頭皮の血行促進効果に加えて頭皮環境の正常化効果が備わっていますが、男性型脱毛症なのであれば血行促進や頭皮ケアだけではダメなのです。
男性型脱毛症の根本的な原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の抑制があるものを使用する必要があります。(※具体的には、チャップアップ、イクオス、プランテルといった育毛剤が相当します。)